ボスの物語 « 戻る

先月、双子を産んだボスが、8月9日他界いたしました。

 

死因は滑落死、牧場でも一番奥深い傾斜地で力尽きていました。足跡があることから、傾斜地を降りようとしたところ足を取られ転倒、そのまま起き上がれなかったのではないかと思われます。子牛は搾乳場で保護しているのですが、搾乳後小屋から離れないボスの姿が思い出されます。14歳、乳牛では高齢出産にあたる年齢です、出産後のケアをもう少ししてあげられていたらと、悔やんでも悔やみきれません。

 

現在のしあわせ牧場の礎を築いたボス、誰よりも牧場を知り尽くしたボス、本当にありがとう、ボスの遺志は二代目のベスに引き継がれています。

 

そして同じ日、ガングロと名付けたジャージーの母牛がメスを出産いたしました。メスなので後継牛として牧場に残せます。一頭が他界し、一頭が生を受けるその繰り返しで牧場は成り立っています。

 

この子がボスの生まれ変わりとは言いませんが、何か特別なものを感じてしまいます。普段何気なく飲んでいる一杯の牛乳には、酪農家一軒一軒の物語が込められています。